KPIを設定している会社は増えました。でも、「KPIを追っているのに、業績が改善しない」という相談も増えています。多くの場合、問題はKPIの数字ではなく、KPIの設計にあります。何を測るかより、なぜそれを測るかが決まっていないことが、根本の原因です。

よくある失敗:測りやすいものを測っている

KPIの設計でよくある失敗は、「測りやすいものを測る」ことです。訪問件数、メール送信数、会議の開催回数。これらは数えやすいですが、業績との因果関係が弱いことが多い。本当に測るべきは、業績に直接影響する行動や状態です。それが何かを特定することが、KPI設計の最初の仕事です。

先行指標と遅行指標を区別する

売上や利益は遅行指標です。結果が出てから分かる数字です。KPIとして追うべきは、その結果を生み出す先行指標です。たとえば、新規顧客の獲得数は遅行指標ですが、初回商談の設定数は先行指標です。先行指標を正しく設定できれば、問題が起きる前に対処できます。遅行指標だけを追っていると、問題が起きてから気づくことになります。

目標値の根拠を作る

「今年比110%」という目標値は、根拠ではありません。目標値の根拠は、「この先行指標がこの水準になれば、この遅行指標がこの水準になる」という因果関係から作ります。過去のデータがあれば、それを使います。データがなければ、小さな実験で確かめます。根拠のない目標値は、チームのモチベーションを下げるだけです。

チームへの落とし込み方

KPIはトップが決めて終わりではありません。現場の担当者が「なぜこの数字を追うのか」を理解していないと、数字を追う行動が形骸化します。KPIを設定するときは、その数字が業績にどうつながるかを、現場の言葉で説明できる状態にすることが必要です。説明できない場合は、KPIの設計を見直すサインです。

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